リプロな日記

中絶問題研究者~中絶ケア・カウンセラーの塚原久美のブログです

意外!? 40代後半の中絶が増えている

YAHOO JAPAN!のニュース

意外!? 40代後半の中絶が増えている

◆40代後半の中絶が増えている、その背景とは 40代後半で微かであるとはいえ中絶が増えている。実際、この年代の女性たちには「もう更年期が始まっているから妊娠しない」「この年で妊娠するはずはない」という思い込みがある。 厚生労働省が発表している衛生行政報告例の中に人工妊娠中絶に関する政府統計がある。昨年10月に発表された最新調査によると、全体的に中絶件数は減少しているものの、2つの年代層だけで増えている。20代前半と40代後半だ。 40代後半で微かであるとはいえ中絶が増えているのである。実際、この年代の女性たちには「もう更年期が始まっているから妊娠しない」「この年で妊娠するはずはない」という思い込みがある。


◆まさか妊娠とは 47歳のクミコさんは、28歳で結婚、大学生と高校生の子どもがいる。夫とは共働きをしながら家庭を築いてきた。そんな彼女が半年ほど前、中絶を経験した。 「夫とはもはや年に数回しかしていなかったし、生理不順にもなっていて更年期症状なのかなと思っていました。でもなんだかおかしいので医者に行ったら妊娠だと。驚きました。正しい判断ができかねたので、産む産まないの結論は出さずにその日は帰りました」 夫に言ったら、今からでももう一度子育てしようと言うに決まっている。だがクミコさんは仕事で重要な局面にも立っていた。社内の大きなプロジェクトのリーダーになったばかりだったのだ。 「数日悩みましたが、これはもう墓場までもっていこうと、誰にも言わずに密かに中絶しました。しかたがなかったと思っています」 連休前に手術し、連休中は風邪をひいたと寝て過ごした。家族はまったく疑っていなかったという。夫は珍しくおかゆをつくってくれたそうだ。 「いいとか悪いとか、そういうことは考えないようにしました。今の生活を守る、自分のキャリアを守る。それがそのときの優先事項だったから」


◆完全に閉経するまでは可能性がある その後、クミコさんは医師に言われたそうだ。 「完全に閉経するまでは、妊娠の可能性があるんですよ」と。 「40代後半になって、しかもめったに夫としないという現状があるから、そう簡単に妊娠するはずがないと決めてかかっていたんですよね。でも可能性はゼロではない。その後、夫とする機会はありませんが、もし迫られたら逃げようと思っています。完全に閉経するまであと数年ありますが、ずっと逃げ切れるかどうか……」 本来なら、そのあたりも含めて夫婦で話し合い、新たに子どもをもつつもりがないなら避妊するべきだろう。だがクミコさんは、今さらそういうことを夫に話すのもめんどうだと考えている。 「ただ、私の経験を踏まえて言うなら40代後半での妊娠にはじゅうぶん注意したほうがいいと思います。つい先日、同世代の友人から不倫相手の子を妊娠してしまったという話を聞きました。彼女も、もう妊娠するはずないと思っていたそうです」 40代後半の意外な“落とし穴”かもしれない。


亀山 早苗(恋愛ガイド)

コロナ禍、中高生の妊娠相談が増えた背景にあるものは 熊本・慈恵病院に聞く

Yahoo Japan! News (ノンフィクションライター三宅玲子/Yahoo!ニュース 特集編集部)

一連の中高生の妊娠増加記事の中でピカ一だと思いました。お薦めです!

コロナ禍、中高生の妊娠相談が増えた背景にあるものは 熊本・慈恵病院に聞く - Yahoo!ニュース

FIGOのウェビナーで知ったこといくつか

COVID-19と女性の不可欠な医療――特に安全な中絶ケアについて

Q. なぜ、パンデミック下で安全な中絶ケアが大事なのか?

A. 中絶は「一刻を争う」ものだからです。

  • 遅延が起こると、ほどなく中絶できないタイミングに来てしまいます。遅くなればなるほど、外科的処置も難しいものになります。
  • 遅くなればなるほど、医療従事者の側のよけいなリスクも増します。
  • 安全な中絶方法を行っている限り、女性の死亡率も合併症率もとても低いレベルです。分娩するよりはるかに低いのです!
  • 妊娠週数が増すたびに、リスクは幾何級数的に増大します!

Q. 長短期の可逆的避妊法が1割減ると?

A. 48,558,000人の女性が避妊できなくなります! 15,401,000件の意図せぬ妊娠が生じます!

Q. 全中絶の1割が、安全な中絶から安全でない中絶になってしまうと?

A. 安全でない中絶が3,325,000件増えます! 周産期死亡に至る女性が1,000人増えます!

  • 妊娠早期の薬による中絶(Early Medical Abortion=EMA)は、パンデミック下での安全戦略です。
  • テレメディシンは、隔離している女性、地方在住者の女性にとって非常に有効な方法です。
  • イギリスでは中絶薬へのアクセスが容易になり、「自宅中絶」が可能になりました。
  • デジタル・メディア、教育の努力によって、情報とサービスにアクセスできるようになりました。
  • 現実的な解決法:中絶の待機時間と遅延がなくなりました!
  • 中絶薬(ミフェ・ミソ)はWHOの必須医薬品(エッセンシャル・ドラッグ)です!
  • サービス提供者を増やし、女性たちの自分で処置できる範囲を広げています。
  • イギリスでは妊娠初期の中絶薬のテレメディシンをここ何年間にもわたり提唱してきました。
  • これはRCOG、NICE、FIGOが過去数年に渡って提唱してきたことです。
  • イギリスはCOVID-19を機に中絶薬のテレメディシンを開始しました。
  • 7週間に渡るロックダウンのあいだに、16,500人が妊娠早期の中絶にテレメディシンを使いました。これはこの間、国内で行われた中絶の71%に当たり、有害事象は2-4件と少なく、交通事故に遭うのと同程度の頻度でした。
  • 素早く、見事な成功を収めることができました! COVID-19後も継続すべきです。

危機を無駄にしないこと、危機は変革をもたらすのだから!

世界のリプロ事情を本気で変えようとしているデイム・レスリー・リーガン

女性の健康の擁護者Dame Lesley Reganに関する忘備録

イギリスのRCOGやFIGOについて調べて行ったら、あっちにもこっちにも出てきたのがこの方! デイムは貴婦人を意味する尊称で、レスリー・リーガンさんがお名前です。王立イギリス大学の学長もしていたそうなんですが、本気で「女性の健康」を守ろうとする姿勢がすばらしい! 迷いもなく、ぐんぐん持論を語るタイプで、すっかりファンになってしまいました。5月20日(現地)に開かれたウェビナーは、FIGOFacebookで観ることができます。

他にもこんなのが……。

米トランプ政権のグローバルギャグルールを批判している動画。
FIGO comments on US halt to WHO funding during COVID19

以前からサブサハラの女性たちの苦境に対応しようとしていたようです。
Professor Lesley Regan - Clinical Professor Obstetrics & Gynaecology, St Mary’s Hospital

妊娠と肥満に関して語っているガーディアンの記事。
https://www.theguardian.com/society/2016/dec/06/pregnancy-childbirth-obesity-smoking-tell-the-truth

こういう人が日本にいてくれたなら!!

「ミソプロストールを血中に発見」はかなり怪しい

中絶薬の痕跡

中絶規制の厳しいアラブ首長国連邦で妊娠してしまった女性の話を読んでいたら、病院で「ミソプロストールを血中に見つかった」話が出てきた。
How lockdown is affecting women's reproductive rights

おかしいな、ミソプロストールの痕跡は残らないはずなのに……と思って調べたら、トロント大学のReprohealthlaw blogに以下の説明があった。

Misoprostol detection in blood

病院側が「中絶薬をのんだね?」と「ヤマ」をかけてくることもあるようですが、それはたいてい嘘だろうとのこと。

ロウ裁判の原告の「転向」は金で買われたものだった!

Jane Roe’s Deathbed Confession: Anti-Abortion Conversion ‘All an Act’ Paid for by the Christian Right

アメリカの最高裁で1973年に下された「ロウ判決」は、憲法で認められている女性のプライバシー権を理由に中絶を禁止している州法をすべて違憲にしました。

判決が出た後、プロチョイス派の原告だったジェーン・ロー(これは偽名で、本名はノーマ・マコーヴィー)が、プロライフ派に鞍替えしたことはよく知られているのですが、実はこれはプロライフ派から「金をもらって演じた」のだと、死の床にあるノーマさんが証言していたというのです!

https://www.thedailybeast.com/jane-roe-confesses-anti-abortion-conversion-all-an-act-paid-for-by-the-christian-right

驚きました!

2020/5/23に見つけました。ノーマさんの人生について、こんな追悼記事も見つけました。書いているのは、なんとリプロダクティブ・ジャスティスの提唱者であるLoretta Rossさんです。心が痛みます。ノーマさんのご冥福をお祈りします。

Mourning Norma McCorvey: The Story of Jane Roe is a Lifelong Struggle to Heal from Hardship and Abuse

10代の少女の中絶率の急増と急減について

朝日新聞 北村邦夫氏の解釈に異議あり

[中絶の実態 「胎児に申し訳ない」 受ける女性の思い]というタイトルとは別に、10代の少女の中絶率の急増と急減について、わたしなりの解釈を。

1970年代から徐々に増えて行った10代の中絶が、1996年から急上昇していったのは、黒沼克史氏が著書で用いた「援助交際」という言葉の影響が大きいだろうと、わたしは見ています。

現代用語の基礎知識の1996年の新語・流行語大賞に選ばれた際、「“売春”という実態を、言葉のマジックで「援助交際」と言い繕う忌まわしい流行語である。」とのコメントが添えられています。ルーズソックスも同じ年に話題になっていますね。おそらくこの頃から、少女たちに性的な視線を浴びせる大人の男性が増えたのではないかと思います。

さすがにこれについては問題視されました。なにしろ当時、売春を規制していた売春防止法には、買った側の男性への罰則がなかったからです。1999年には児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(児童買春法)が施行され、ようやく買春男性に対する罰則が定められました。

並行して各都道府県も「淫行条例」を制定するようになりました。1980年代から何度も議論されながら流れていた東京都でさえも、2005年にようやく条例ができました。同じころに出会い系サイトの規制も行われています。おそらく、そうした一連の努力の結果が、10代の中絶減少に表れているのだと思います。

草食男子という言葉を最初に使ったのは深澤真紀さんで2006年のこと、その後、2008年に森岡正博さんが『草食系男子の恋愛学』という本を出して広まり、2009年の流行語大賞トップ10に入っています。なので、これが中絶率低下に寄与したとは、わたしはあまり思っていません。

むしろ、緊急避妊薬のノルレボが2011年に発売されたことは、その後の中絶率低下にけっこう影響したのではないでしょうか。

2013年のブログでもこの件に言及しています。以下をご覧ください。
okumi.hatenablog.com

中絶の実態 「胎児に申し訳ない」 受ける女性の思い

朝日デジタル 北村邦夫医師による中絶のお話。2回目です。

 このコラムでは、産婦人科医の立場で、みなさんに知っておいてもらいたい体と性の話をつづっています。今回は、前回に引き続き、人工妊娠中絶の話題です。

 私は高校生などを対象に講演することがありますが、その際に、「日本の人工妊娠中絶の実態はどうなっているのですか」「日本人は人工妊娠中絶についてどう考えているのですか」などの質問を受けることがあります。その答えは、これから紹介する、いくつかの統計の中にあります。

 わが国には、母体保護法という法律があります。人工妊娠中絶手術などについて規定しているもので、毎年度、衛生行政報告例(母体保護関係)によって、人工妊娠中絶の実態を知ることができます。最新の報告によれば、2018年度の中絶実施件数は16万1741件。1955年には117万件を超える届け出があったことを鑑みると、まさに隔世の感があります。減った原因は、日本人女性の社会的な地位の向上や、避妊のためのコンドームの普及、セックスに対する消極性などが関係していると考えられます。

 図1は、5歳ごとの階級別の中絶実施率をグラフにしたもので、分母を「女子人口」、分子を「中絶数」として、人口千人あたりの中絶実施率が計算されます。全体の中絶実施率は、6・4となっています。「20歳未満」については、15歳から19歳の中絶がほとんどですが、中には15歳未満で行われた中絶数も含まれます。

 このグラフだけを見ると、20歳未満での中絶実施率が他の年齢層に隠されてしまいます。他の年齢層に比べてセックス経験率が低い20歳未満の場合には、結果として妊娠、中絶件数も少なくなっているためです。

 そこで、図2のように、20歳未満だけを取り出してグラフを作製し直してみました。2001年をピーク(13・0)に、20歳未満についても中絶実施率は減少傾向を示していることがわかります。なぜ、中絶実施率が減少したのかについては、議論が分かれるところですが、僕自身は若い世代がセックスに積極的でなくなる「草食化」が大いに影響しているのではないかと考えています。

 表1は、年齢階級別の出生数、中絶数、中絶割合を示したものです。20歳未満は、18年に8778人の出生数でした。中絶割合は、中絶数を妊娠数(出生数と中絶数を加えた数)で割った値で、年齢が低いほど、中絶割合が高いことは一目瞭然です。若年の場合には、妊娠しても、それを受容できる可能性が低いわけで、その意味では、セックスするかしないかについて、他の年齢層以上に、真剣に考える必要があるということですよね。

日本人女性の中絶経験率は10・4%
 日本家族計画協会では、02年から「男女の生活と意識に関する調査」を実施していますが、直近の16年(第8回調査)までの結果から、「中絶手術を受けた経験割合」「最初の人工妊娠中絶手術を受けることを決めた理由」などを探ってみました。

 この調査は、16歳から49歳の男女3千人を対象に行ったものです。調査員が個別に訪問し、調査票を手渡し、回収する手間のかかる調査方法がとられています。サンプルの抽出が適切に行われていることから、この調査は全国を代表するものといえます。日本人女性の中絶経験率は10・4%で、このうち複数以上中絶を経験した「反復中絶率」は17・1%でした(図3)。

 「最初の人工妊娠中絶手術を受けることを決めた理由(女性)」(表2)を見ると、「経済的な余裕がない」(24・3%)、「身体が妊娠・出産に耐えられない」(2・9%)という理由のほか、「相手と結婚していないので産めない」(24・3%)、「自分の仕事・学業を中断したくない」(8・6%)などもありました。それぞれに深刻な事情があることがわかります。

「胎児に対して申し訳ない気持ち」
 「最初の人工妊娠中絶を受ける時の気持ち」もたずねています(図4)。誰一人として、中絶をするために妊娠する人、セックスをする人はいません。でも、100%を約束できる避妊法がない以上、予期しない妊娠が突然起こることになります。その妊娠をやむを得ない事情で中断しなければならないときに、僕としては、「人生において必要な選択である」(17・1%)と受け止めることのできる女性であってほしいと願っています。これをセクシュアル・リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)といいます。しかし、残念ながら、わが国の場合、「胎児に対して申し訳ない気持ち」(58・6%)、「自分を責める気持ち」(17・1%)が大半を占めています。これでは、人工妊娠中絶手術の後にトラウマ(心的外傷)を残してしまいかねません。

 例えばドイツでは、中絶を求めてきた女性に対して、中絶を行う医師以外の者によるカウンセリングを受け、中絶日まで3日間ほど待機期間を持ってもらうとしています。この期間を経てもなお、中絶の意思が固ければ、そこで納得した上での中絶が行われます。キリスト教国などでは、宗教的な立場でのサポートが行われる国もあります。日本では、このあたりのサポートがまだまだ不十分で、中絶を巡る課題の一つとなっています。とにかく、今の段階では、この選択肢が自分にとって必要なのだと、十分に納得した上で人工妊娠中絶手術を受けてほしいものです。

表やグラフは朝日新聞のサイトでご確認ください。(ただし有料会員用です。)

digital.asahi.com

国際産婦人科連盟 COVID-19パンデミック下でテレメディシンによる中絶を提唱

FIGO Statement on March 30, 2020

Abortion Access and Safety with COVID-19

以下、抜粋で粗訳します。

テレメディシンは、妊娠初期にクリニックに足を運ぶことなく中絶をするための安全でプライバシーの守られた方法であり、自宅隔離をしている人や、遠隔地に暮らす女性、育児のために自宅を離れられない人などのために有効な方法です。COVID-19パンデミックのあいだは、テレメディシンは女性を守る手段となると共に、彼女たちの重要な医療ニーズを満たす手段になります。安全で効果的な中絶サービスを行うために医療者と対面する必要はないことはすでに立証されており、WHOは女性たちが適切な情報にアクセスでき、中絶過程のいずれかの段階で医療を必要としたり、望んだりする場合に、医療サービスを受けられるようにしている限り、安全に自己管理による薬による中絶を行うことを推奨しています。

赤ちゃんの遺体が浄化槽で発見された事件 薬を使って堕胎した疑いでベトナム人の女を再逮捕 岡山・津山市

KSB 5ch 瀬戸内海放送のニュース

赤ちゃんの遺体が浄化槽で発見された事件 薬を使って堕胎した疑いでベトナム人の女を再逮捕 岡山・津山市
05月07日 18:14 社会

 岡山県津山市で妊娠4カ月から5カ月ほどの胎児を薬を使って堕胎したとして、ベトナム人の女が7日、再逮捕されました。

 堕胎の疑いで再逮捕されたのは、岡山県津山市在住のベトナム人技能実習生、xxx・xxxxx・xx容疑者(22)です。

 xxx容疑者は4月11日、堕胎薬を飲み4カ月から5カ月ほどの胎児を堕胎した疑いです。

 警察の調べに対しxxx容疑者は「技能実習生の身分で妊娠したとなればベトナムに帰らされてしまうことなどから、堕胎を決断した」と容疑を認めているということです。

 赤ちゃんは4月13日に津山市の浄化槽で発見され、警察がxxx容疑者を死体遺棄の疑いで逮捕していました。